それでは、初めに、甲州市特定事業主行動計画につきましてお伺いさせていただきます。以下、行動計画と呼びます。
この行動計画は、次世代の社会を担う子どもたちが健やかに生まれ育てられる環境を整備するための法律、次世代育成支援対策推進法と女性の職業生活における活躍推進に関する法律、女性活躍推進法に基づき、本市においても策定されております。
国及び地方公共団体においては、特定事業主行動計画、従業員301名以上を雇用している民間事業所は、一般事業主行動計画とし女性活躍に関わる現状把握と課題分析を行うこと、女性活躍の推進に向けた策定、情報の公表を義務づけています。
女性活躍推進法には、女性に対する採用、昇進などの機会の積極的な提供、職業生活と家庭生活との両立に関し、本人の意思が尊重されるべきことなどが定められています。地方公共団体である甲州市役所におきましても、行政機関としての立場から率先して女性職員の活躍推進に取り組んでいくことは大変重要であり、市内において、ほかの事業所の模範となるよう、女性が活躍できる環境を整備していく義務があると思います。
令和2年3月末において、行動計画前期の計画が終了いたしました。前期計画の実績、評価、課題についてお伺いいたします。
総務課長(芦沢尊彦)
本市行動計画をただいまご質問の中にもありましたとおり策定をいたしまして、子育てしやすい環境整備や時間外勤務の縮減、女性職員の活躍推進など12の取組を掲げ、働きやすい環境づくり、ワーク・ライフ・バランスを推進してまいりました。
計画が策定してあることから目標が明確になっており、その基準に向かった取組ができることはまさにワーク・ライフ・バランスの充実にかなうものであり、一定の水準に達しているものと判断できる状況にあります。
しかし、課題もあります。一例としましては、男性職員の育児休業等の取得について、育児の認識、参加の取組は以前より進んできているものの休業取得が進んでいない状況であります。休業を取れる環境づくりと意識改革をどのように進めていくのかが課題となっております。
原因の把握に努め、ワーク・ライフ・バランスのさらなる充実に努めなければならないと考えているところであります。
一定の水準を得ているとのご答弁をいただきました。
男性の育児休業について、これまで取得した職員はいらっしゃらないということは残念に思います。ただ育児休業となりますと、1年と長期になりますのでなかなか取得しづらいこと、また前例がなく、その風土や環境だったり、復帰後の不安など男性職員の心情は理解します。また、現職の大臣が取得するというケースが、国会や報道などで取り上げたことも記憶に新しいかと思います。公務を続けながらの取得に数々の波紋を呼んでいましたが、産後期の母子のケアは非常に重要で、父親が果たす役割も大きく、男性の積極的な育児参加が求められると考えます。
自治体職員が率先して取得することで、市内の事業所へ周知へとつながります。その影響力はとても大きいと考えます。育児休業となるとハードルは高くなりますが、配偶者出産時における特別休暇、これは2日以内です。で、男性職員の育児参加のための特別休暇、こちらは5日以内の取得について目標数値を100%と掲げていらっしゃるようですので、ぜひ本年は達成できるよう進めていっていただきたいと要望いたします。
私は、女性の活躍推進をより確実なものにしていくには、男女共に働きやすい環境づくりを進めなければならないと思っております。そのためには、男女問わず、仕事と子育てが両立できるよう働き方の見直しが必要で、子育て中の方が安心して働ける環境整備が求められます。
しかし、現状では男性が仕事と子育ての両立をできる環境にあるとはいまだ言い難い状況です。まだまだ管理職世代の方は仕事一筋で生きてきた方も多いですし、ご自身もそうですが、部下の育児参加には消極的な場合も少なくありません。実際に長時間労働により子どもが寝てしまった後に帰宅し、翌朝は子どもが起きる前に出社するという男性もいらしたと思います。
本市において環境づくりという点において、先ほど課長のご答弁にもありましたが、本年度は年間を通し朝型勤務を実施するなど積極的に環境整備を進めているところだと思います。
そこで、ご答弁いただきました前期計画の結果、課題、検証を踏まえ、今後、後期計画についてのお考えをお聞かせください。
総務課長(芦沢尊彦)
後期計画につきましては、先ほども申し上げました前期の課題を含め検証し、全ての職員が仕事と生活の調和を確保し、子育てと仕事の両立が実感できる職場環境づくりと女性職員のさらなる活躍推進のための取組が進められるような行動計画を策定していきたいと考えているところであります。
前向きな策定の準備をされていらっしゃるとのご答弁でございました。
女性活躍推進法では、地方公共団体の区域において女性の職業生活における活躍の推進に関する取組が効果的かつ円滑に実施されるように、関係機関より構成される協議会を組織できると規定されています。この協議会は、いわゆる任意の協議会ではありますが、策定に当たり、この協議会を設けるお考えはありますでしょうか、お伺いいたします。
総務課長(芦沢尊彦)
策定に関しましては、副市長を筆頭に本計画を推進する責任者ともなる議会事務局長、行政委員会等の事務局長、教育総務課長、私、総務課長など、そのほか職員組合執行部役員などが構成員とした策定委員会を設置して、前計画もそうでありましたが、策定委員会設置において検討を進めるということにしているところであります。
前期同様策定委員会を構成されるとのご答弁でございました。その際、数値目標には留意が必要かなと考えます。割合というものは母体が小さい場合に当てはまらないこともあります。例えば、本市、課長職の26名中3名が女性で、割合は11.5%、もしも課長職が100名でそのうち3名だとしたら3%となります。同じ3名であることは変わりありませんが、割合だけ聞くと差があるように聞こえます。割合というものに意味があるかどうか、こちら市民の理解が得られる説得性に足り得るものかどうかは疑問ですが、しかし、市民の女性登用への期待は確実に大きくなっています。後期の策定に関しまして、策定委員会でよく協議されますようお願いいたします。また、数値目標を含め、俯瞰して判断できる第三者的な有識者に参加いただくのもよろしいのではないかと思います。
また、内閣府の男女共同参画局には、女性活躍推進見える化サイトというものがあります。こちらでは全国の自治体の女性職員の内訳が公表されています。もちろん本市の情報も載っております。これらの情報はよりオープンにして市民に見ていただくべきです。また、このサイトの情報は、学生や求職中の方の職場選択の役に立つとともに、各機関、団体の働きやすさ、人材の活躍情報など有益な内容となっています。
ぜひ市民の皆様、事業所の皆様にも見ていただきたい内容となりますので、甲州市のホームページにリンクしていただけるよう要望いたします。
女性活躍推進法は、10年の時限立法となり、2026年には効力を失うということになりますが、ぜひ後期計画では女性も男性も能力を生かして働きやすい環境づくりに、よい意味で大きな波を起こすような計画となることを期待しています。
多様な住民ニーズに柔軟に対応していくためには、甲州市役所組織も多様性を持つ必要があります。さきに質問いたしました行動計画において、人事、財政、企画、議会担当リーダーなど、今まで男性しか経験していない多様なポストに積極的に女性職員を配置すると明記はしてあります。また、女性が意思決定の過程に関与し、市民の住民目線に立った生活者の視点で施策を考えていくことは様々な課題の解決にもつながります。
そこで、庁内各課の男女比、また女性管理職の比率について、今後の登用についてお考えをお伺いいたします。
総務課長(芦沢尊彦)
男女の比率についてでありますが、一例ということの中で、本庁における1階、それから2階以上のフロアにおける比率におきましては、1階では約半分程度が女性が占めております。また、2階以上では23・24%ということで、男性職員のほうが比率的には高いというような状況がありまして、その職務における適正と申しますか、女性の配置が1階では多くなっているというような状況があります。
また、女性管理職の割合につきましては、令和2年度は課長から主幹までの管理職が、男性57名、それから女性22名、女性管理職の割合が28%であります。県内他市の状況も25%前後でありますので、平均的な割合となっております。
管理職の登用にありましては、女性も男性と同様、公平に管理職の登用を行っており、女性だからということを理由に登用しない、あるいは遅れがあるというようなことはありません。
女性管理職の割合が低い原因といたしましては、管理職となるべき対象年代の女性の採用が少なかったことや、管理職昇任を前に退職をしてしまうなど、女性職員の占める割合がもともと低いことなどが上げられます。
現在、管理職前の男女の職員の割合につきましては、おおむね均等でありますので、今後は管理職に占める女性の割合が徐々に増えていくものと考えております。
女性管理職の比率については、県内の平均より少し高いというご答弁をお伺いすることができました。男女ともやる気のある職員は、家事、育児、介護の負担などで管理職の登用の機会を逃すことなく、その能力を正しく評価し、登用するシステムを構築していく必要があると考えます。
また、男女とも管理職というポストに登用するには、その人材育成は欠かせないのは言うまでもなく、その育成過程でどのようなポストを経験したかが重要であり、庁内全体を見渡すことができるような課で働いた経験が不可測になるのではないでしょうか。
各課の女性の人数を見ても、総務、財政など各課を取りまとめるような課は、女性職員が少し少ないようにも感じましたが、女性職員が1人の課もありました。女性の少ない課や職種への積極的な配置を通し、女性職員が幅広い職務を経験し育成を図るよう取り組んでいただきたいと要望いたします。
こちらも行動計画の中に、女性のみを対象とする職員研修や外部研修への派遣を行うとの明記があります。一般的には管理職の役割を学んだり、マネジメントスキルの習得、またロールモデルとなる女性管理職の方から体験談を聞く講演会など昇進に対する不安の解消や具体的なキャリア展望を描くきっかけになる研修などがございます。
そこで、本市においては女性職員を対象としたどのような研修を実施されているのでしょうかお伺いいたします。
総務課長(芦沢尊彦)
職員の研修につきましては、職員のスキルアップを図るため、庁舎内での全体研修のほか、県内全27市町村の共同研修機関として山梨県市町村職員研修所があります。職員一人一人が有する能力を最大限発揮できるよう、多数の研修カリキュラムが用意されており、全職員がいずれかの研修を選択して積極的に研修に参加するようにしております。
また、女性リーダーシップ研修というカリキュラムも用意されておりますので、特に女性管理職には総務課長指名研修として受講を促し、また復命を得る中でどのような研修を行ってきているのかということも所属長は把握しているところであります。
いずれにいたしましても、女性の人材育成について、このような研修を通して図っていきたいと考えております。
職員の能力や意欲の向上を図るため、様々な研修が男女問わず実施されていることが分かりました。また、報告書の提出もされているとのことでした。こちらは、もし手軽に記入して本音も聞き出せるアンケート形式なんかもよろしいかもしれません。女性職員を対象とした研修ですが、庁内の現職の課長、女性課長ですね。課長職を経験した女性からの経験談、生活、考え方を聞きキャリアを考えるといった研修もよろしいのではないのでしょうか。管理職としてのロールモデルを身近なところで感じていただき、それがキャリアプランを考えるきっかけにつながりますし、身近な方からのお話ですので共感しやすいと思います。また、女性自身が生産性を上げて短時間で成果を出す働き方の研修、管理職になるための心構えといった研修が特に必要かなとも思います。
男性管理職の方も、男女共同参画研修には積極的に参加いただき、なぜ女性管理職が必要なのか、そういうところをきちんと理解し、男女お互い尊重できる職場づくりに課局横断的に取り組んでいただきたいことを要望いたしまして、次の質問に移らせていただきます。
近年、自然災害が激甚化しており、防災への意識が高まっております。過去の定例会において、避難所の運営につきましては先輩議員より質問があり、当局においても女性視点での運営が必要との認識がされていることと思います。
私は、やはり女性共有の課題に心底共感し、何が必要で何をすべきかを真剣に考えることは同性である女性にしかできないと思っております。女性は男性に比べ、日頃から地域の中でつながりを持ち、介護や子育てといった具体的な経験を通じて、高齢者や子ども、障害者、いわゆる障害弱者に対するきめ細やかな配慮ができます。こうした女性の視点を防災対策にはもっと積極的に生かすべきと考えます。女性でなければ気づかないこと、実際災害に遭遇した際には避難所での対処、対応に大きな支援要素となると考えます。また、視点だけではなく、直接女性が携わっていく女性パワーも必要だと思います。他市では、女性の防災への参画を促すとともに、災害への備えを促進することを目的として、女性視点の防災ブックを策定しているところもあります。災害の被害を受けやすい女性、防災、災害復興の担い手としての女性という、それぞれの立場から災害時における避難所などでの工夫や日頃の備えについてまとめています。
そこで、防災・災害時の女性視点活用について、今後のお考えについてお伺いいたします。
総務課長(芦沢尊彦)
ただいま質問の中に、一例としてありましたとおり、昨年12月の定例会におきまして、飯島孝也議員の避難所の開設に伴う対応の質問に対しまして、自主防災会や施設管理者等のほか、多様な主体、例えば女性を含めたり、責任者として加わることにより、被災者の様々なニーズや意見を反映できるようにする仕組み、体制を構築し、運営を行うことが重要な視点であるとお答えをしております。
議員ご指摘の趣旨がこれに全て含まれているとは考えておりませんが、被災し避難所生活が長くなるときなどは、特になくてはならない視点であると認識をしているところであります。
また、県におきましては、峡東地域県民センターが開催する峡東地域防災リーダー養成講座を災害時の女性による活動の重要性という観点から毎年開催をしており、この峡東3市でローテーションで行っておりますが、各地区の自主防災組織に周知し参加者を募っております。
このような機会を活用する中で、今後も地域力、地域防災力の強化に努めてまいります。
また、昨今、地域の防災力向上や、いざというときの被害を少しでも小さくする減災活動など女性消防団員のニーズも求められているのではと思います。女性団員の比率、また、こちら増員する考えがあるのかお伺いいたします。
総務課長(芦沢尊彦)
女性消防隊につきましては、平成25年10月に4名の入団者からスタートをし、現在は12名の団員により諸活動を行っており、今後も入隊者を募集しているところであります。
活動内容につきましては、火災防災関係のキャンペーン実施時の協力、幼少年消防クラブの指導員、各種訓練、規律訓練や救命救急訓練などへの参加等を行っているところであります。
隊結成から2年目の平成27年10月には、開催された全国女性消防操法大会において優良賞を受けるなど熱心に活動をいただいており、今後も防災における協力いただける範囲の中で協力体制を組んで共に対応していきたいと考えているところであります。
女性消防団員の増員するお考え、また今後の活動の内容についてご答弁いただきました。また、優良賞を受賞されたということは大変すばらしいのではないかと思います。
今後、募集要項のチラシなど少し柔らかい雰囲気にしてみるなど、少し女性の目に留まるような工夫を凝らし、また女性団員の増強に努めていっていただきたいと思います。
鈴木市長は、市の未来を考える戦略会議を立ち上げるお考えであるとおっしゃっていましたが、どのような方をメンバーとしてお考えでしょうか。
市長(鈴木幹夫)
この戦略会議、仮称でございますけれども、設置につきましては、私が選挙戦に訴えてきたことでございまして、甲州市の未来に向けて政策の方向性を検討していただく組織でございます。また、議員の質問の中に、市内外から各分野の学識経験者等にご協力をいただくわけでございますが、当然、女性の委員の皆さんの比率も高めて会議に参加していただくような格好としたいと思います。
先ほど庁内の女性管理職の比率についてお聞きしましたが、女性課長は現在3名いらっしゃいます。お3人ともリーダーシップを発揮され、日々手腕を振るわれていらっしゃると思います。特に、議会事務局は山梨県下で初の女性局長ということで、鈴木市長の女性の活躍推進に対するお考えを反映されてのことかなと思っております。
先ほど市長、女性委員も登用されるとのお答えをいただきましたが、市長はその女性委員に期待することはどのようなことでしょうか、お願いいたします。
市長(鈴木幹夫)
女性に期待することはという質問でございますが、私としましても、人口減少社会の中で持続可能な社会の実現のために、最大の潜在力があるといいますか、女性の力でございますが、これを発揮していかれること、これは甲州市のために不可欠でございます。
また、女性の活躍推進が甲州市の明るい未来をつくる第一歩であろうと思っておりますので、おおむね13から15名ぐらいの中に多くの女性の皆さんを登用していきたいと考えております。
なお、これはコロナ対策が優先をしたものでして、計画としまして、今年末ぐらいまで会議の骨格を、戦略会議の骨格をお示しできればと思っておりますし、来年度当初、スタートさせていくという計画でございますので、ご理解をいただきたいと思います。よろしくお願い申し上げます。
女性の力の発揮は不可欠との大変力強いお言葉をお聞きできました。明るい未来をつくる戦略会議につきまして、現時点でお決まりになっている構想につきまして少し、もう少し具体的にお伺いできたらなと思います。
市長(鈴木幹夫)
選挙が終わりまして、3月議会の中でちょっとお話をさせていただきましたけれども、基本的には戦略会議の中身を、上の学識経験者の皆さんで構成する戦略会議、そして20歳から大体40歳ぐらいの方々で構成する皆さんの未来会議を、おおむね戦略会議ということで立ち上げたいと考えております。
やはり基本的には上のほう、上のほうという言い方おかしいんですけれども、戦略会議の中心になるわけでございますが、これは各分野の皆さんのそれぞれの学識に応じた方々をメンバーとして会議をつくっていくが一つですね。
そして、もう一つは、先ほど言ったように、20代から40代ぐらいの、これも女性の皆さんも若い方、たくさん入っていただくわけでございますが、若い人の視点に立った、これからやはり10年、20年、あるいは30年先の甲州市を考えていただいて、そして、その方々がいずれ中心メンバーになって、多分、甲州市を動かしていただけるものと思っておりますので、そういう方々のご意見を全部取り上げるわけにはいきませんけれども、そういう意見を上のほうの戦略会議で吸い上げながら、さらに政策的な骨格をつくっていくような方向性でいくと。
そして、もう一つ、甲州市にはいろいろな課題があります。確かに財政問題もありますし、ぶどうの丘もありましたり、防災力の強化等も含めて、あらゆる項目を、その会議の中でピックアップしながら、そのことを会議で十分煮詰めていただいて、その内容を持って、庁内の課長会議等に振り分けてもう一度検討していくと。やはりそういう内容を甲州市の骨格的な策定内容の中に当てはめていくことが必要だろうと思っております。
今、現状としては、やはりコロナがあったもので、もっと本来なら早く策定をしていかなきゃならんわけでございますけれども、その辺はご理解いただいて、もう少々時間をいただく中で、しっかりとした骨格の会議の策定にさせていただきたいと思っております。よろしくお願い申し上げます。
より具体的にお聞きすることができました。ありがとうございます。また、未来会議、若い世代の方の登用をお考えになっているとのことでした。
市長の施策の中に抱えていらっしゃる教育や福祉、こちらは特に男女共同参画社会の実現こそがベースだと思います。政策やまたさっき市長がおっしゃられたような課題、そういったものの決定での視点というのは、やはり多様化することが最終的な結果を豊かにするのではないかと思います。
様々な施策の展開に向けて、多様な視点が反映され、市長のおっしゃる市の明るい未来を作る戦略会議となりますよう、大変楽しみにしております。
昨今の新型コロナウイルスにおいての効果的な対策を実施している国、ドイツ、台湾、ニュージーランド、こちらに共通しているのはトップが女性ということです。私見ではありますが、私の周りの女性を見ると、物事を抽象的かつ多角的にみられる人が多いように思います。
コロナ禍において、経済対策はもちろん必要ですが、ツケを次世代に回すことは避けなければなりません。政府からの全国一斉休校要請による困難は、やはり家族的責任が集中する女性、それから非正規の女性、こちらに顕著に現れますが、日本各地での新型コロナウイルス対策本部会議の場のようなところでも、やはり女性の比率は低く、声が届きにくい現状です。
先ほど男女共同参画社会と申しましたが、こちら基本理念として5本の柱があります。一つ目は男女の人権の尊重、二つ目は社会における制度または慣行についての配慮です。三つ目は政策など立案及び決定の共同参画、四つ目は家庭生活における活動とほかの活動の両立、五つ目は国際的協調であります。
男女共同参画社会は、男性も女性も意欲に応じてあらゆる分野で活躍できる社会であり、実現できれば職場に活気があふれ、家庭生活が充実し、そして地域力向上するとされています。
そこで、本市での様々な施策や方針の形成において、重要な役割を果たしている審議会、そして委員会、こちらの女性委員の登用率、こちらについてお伺いいたします。
市民生活課長(金井明則)
女性の活躍推進の元となる男女共同参画社会を実現するため、市では政策、方針を決定する場に男女が多様な視点から対等な立場で参画することが重要と捉え、各種団体、審議会等に男女比率を適正にするため、女性登用を積極的に要請しております。
今年度当初の女性の登用状況ですが、審議会等は25のうち22が女性を登用しており、委員数で申し上げますと、317名中84名が女性で、登用率は26.5%であります。委員会につきましては、5のうち3が女性を登用しており、50名中3名が女性で、登用率は6%であります。
今後につきましては、女性登用を推進するため、各種団体への要請と市民の理解と関心を深めるための啓蒙活動を継続してまいりたいと考えております。
審議会、委員会等の女性比率についてよく分かりました。
令和2年度末には30%に近づけるよう推進されていくとのお答えでございました。こちらの審議会、委員会で公募という形で募集することもあると思います。その中になかなか難しいかも分かりませんが、子育てに関わっている方とか、何か若いグループ、そういった方々にもお声かけていただけたらなと思います。多忙にされている世代ではありますが、そこで活躍している方をメンバーに登用することで、年代、職業など、組織が多様化しますし、新たな視点も生かされ活性化されると思います。どうぞよろしくお願いいたします。
続きまして、甲州市全体として、どのように推進していくのかについてお伺いいたします。
女性活躍推進法第21条では、国及び地方公共団体は、女性の職業生活における活躍の推進について国民の関心と理解を深め、かつその協力を得るとともに必要な啓発活動を行うものとすると定められています。
甲州市内の事業主、また労働者、そういった方に周知はされていらっしゃるのでしょうか。
市民生活課長(金井明則)
女性活躍推進法第6条第2項市町村推進計画の内容につきましては、市の男女共同参画推進計画である第2次甲州フルーティー夢プランの基本目標に雇用等における男女共同参画の推進と仕事と生活の調和の実現に位置づけられております。
例年では、行政、企業、地域それぞれの政策や方針を決定する過程において、女性の参画が拡大されるよう、甲州市男女共同参画推進委員会にて市内数か所の事業所を訪問し、女性の登用について企業の理解を深めていただくための情報提供を行っているとともに、性別によって役割等を固定化することのないよう、6月の推進月間に実施する啓発活動及びフォーラムの開催を中心として、地域における男女共同参画を推進しております。
私も男女共同参画推進委員として事業所を訪問させていただきましたことを思い出しておりました。
今後、女性の活躍推進が事業主へと波及していくことは、女性政策というより経済対策になると考えます。働くための条件整理や、女性の活躍の場を作る取組をこの甲州市役所から市内の企業へと広めることで働き手も増え、税収が増え、社会保障が安定する、安心して消費できるというサイクルも期待できるのではないでしょうか。
今後、男女共同参画社会の実現に向け、甲州市全体でどのように推進していくのか、お考えをお伺いいたします。
市民生活課長(金井明則)
これまでの市の取組といたしましては、甲州市に住みたい、住んでよかったと思えるような魅力あるまちづくり、人づくりを目指して、平成19年に甲州フルーティー夢プランを策定いたしました。その後、平成28年3月に甲州市男女共同参画推進条例を制定し、平成29年には、社会情勢への変化や新たな課題に対応する取組を盛り込んだ第2次甲州フルーティー夢プランを策定しました。
これらにより、市における男女共同参画社会の実現に向けた取組が着実に進展していることを実感する中で、昨年6月に甲州市男女共同参画都市宣言を行ったところでございます。
今後の推進方法につきましては、第2次甲州フルーティー夢プランの計画期間が令和3年度までとなるため、来年度に市民向けアンケート調査を実施し、結果の検証と分析を行った上で、効力ある手法や取組を見出し、第3次計画に盛り込み、今後のさらなる推進につなげてまいりたいと考えております。
甲州市に住みたい、住んでよかったと思えるような魅力あるまちづくり、人づくりプランとして、第2次甲州フルーティー夢プランを策定されているとのことでした。こちらにつきましては、課題検証も今からしっかりと把握していただき、第3次プランにつなげていただきたいと思います。市民向けアンケートは大変意味があると思います。
また、少し思い出していたのですが、男女共同参画フォーラム時に、市民の皆様に意識高揚と、理解を深めるため、川柳、写真の作品の募集をしております。こちらは市内在学の学生部門もあったり、大変好評をいただいていると聞いております。私は将来を担う児童・生徒への啓発活動は特に必要と考えております。例えば、男女共同参画に関するポスターを描いてもらうとかもよろしいかと思いますし、リーフレットを作成し、学校で利用していただくことも必要ではないかと考えます。引き続き啓発、周知に図っていただけますようお願いいたします。
女性の活躍推進には、女性が生き生きと活動の場が広がれるよう、働き方への意識変革を図るとともに、女性の評価や処遇、人材の育成、人間関係について、管理などを効果的に行い、働きやすいやりがいのある職場をつくることが必要であります。意識を高めることにより、働く意欲が向上し、職場への定着率も上がるでしょう。人口が進む中、地域のまちづくりに女性の意欲や能力を生かすことは、様々な課題を抱える地域社会にとって有益であり、また、様々な分野での実践的な活動を通して女性自身の成長が図られるといった双方向の効果をもたらします。
本市において、女性が活躍できる組織づくりにむけ、スピード感を持って、より具体的に推進の取組が行われますよう要望いたします。また、市の職員が、そのロールモデルとなれば、市民は肌で感じることになり、刺激を受けて勇気づけられていく、そんな好循環を生むのではないでしょうか。
今後の不確実な社会、多様化時代を乗り切るために、女性が活躍できる組織は異なる強みを生かすという点で大変重要になります。変化を受け入れることができる組織風土が結果的に多様な価値観を受け入れることができる強靭な組織になるのではないでしょうか。女性はもちろん男性もそれぞれが自分らしく活躍できる甲州市になることを願い、私からの一般質問を終了いたします。
(以上)