ただいま議長より許可をいただきましたので、甲州市議会議員として初めての一般質問をさせていただきます。
早速この機会をいただきましたことに感謝申し上げます。
二元代表制の趣旨に忠実に、市民の皆様の負託に応えるべく、議員としての責務をしっかりと果たしてまいります。
日頃より市民の皆様にお聞かせいただいているお声からの課題を基に、頑張っている人が報われ、安心・安全に暮らせる優しいまちづくりを考え、子どもたちの未来につながる市政のために全力で取り組んでまいります。
昨年度、市内で栽培された桃にせん孔細菌病による病害が発生しました。風雨に伴って広く拡散するおそれがあるため、産地が一体となって防除が必要になり、昨年9月に薬剤散布の一部費用を助成する補正予算が組まれました。
このような農家に寄り添った迅速なご対応は、基幹産業である農業の振興に大変重要であります。その助成申請締切りが昨年12月27日となっておりました。申請件数ほか現状をお聞かせください。
また、昨年9月の定例会で青柳議員が質問されましたが、せん孔細菌病は薬剤散布による防除を行うことが非常に重要で、数年にわたり継続させる必要があるとのことです。今後、薬剤防除費用一部助成継続など、どのような対応をされていくのか、併せてお伺いいたします。
農林振興課長(萩原利也)
桃せん孔細菌病対策については、昨年、県内、また市内全域において多発し、議員申されるとおり、令和元年9月議会定例会において、防除用散布薬剤の購入に対する補助事業を予算化し、対象面積約353ヘクタール、817名の農業者から交付申請をいただいております。補助金交付額は約1,590万円を予定し、現在、本年度内の交付に向け事務を進めているところです。
この病害は根絶が困難であることから、複数年にわたる薬剤散布などの防除が必要とされ、今期についても発生が心配されることから、関係機関と連携し、防除の徹底をお願いするとともに、補助については発生状況の推移を見ながら対応してまいります。
課長より、大変詳細なご答弁をいただきました。甲州市でも広く被害があったように思います。
山梨県全域での被害状況は、令和元年は382ヘクタール、平成27年の5ヘクタールに対し、被害が拡大したのが分かります。令和元年の発生割合は、峡東地域においては特に多く、14.5%となっており、県全域の発生割合は11.2%となっております。これらの状況から、今後も発生状況の経過を注視し、防除回数の追加、期間の延長を含め、万全の防除対策の構築が必要とされます。財政の厳しい中ではありますが、助成金についてぜひ継続をお願いさせていただき、次の質問へ移らせていただきます。
甲州市において、少子・高齢化は重要な課題であります。その原因として、若い人同士が交流する場の減少、日々の繰り返しの中で新たな出会いも少ないという声も聞かれます。そのような人が出会い、結婚し、子どもを持つというプロセスが少子化の流れを変えていく効果も期待されます。
結婚は言うまでなく、一人一人の人生の選択によるものです。しかし、こうした願いをかなえられるようにするために、本人の努力だけではなく、出会いから結婚に至るプロセスを社会全体で支援することも必要となってきています。
甲州市では、新たな出会いを創出し、移住・定住の促進や少子化対策の推進を目指し、婚活イベント、セミナーの開催をしています。本市における婚活イベント、セミナーの実施状況、今後の展望についてお聞かせください。
市民生活課長(志村裕喜)
本市の独身男女に対する出会いの場の提供は、甲州市結婚相談所の相談員18名が中心となり、イベント以外にも毎月の相談所の開設、また情報交換会や登録者の希望に応じ、1対1のお見合いも実施をしております。
婚活イベントの実施状況について、本年度は台風の影響とコロナウイルス対策等により、中止したイベントもありましたが、4回実施し、申込み者は延べ男性171名、女性108名、参加者は定員を設けていることから、延べ男性98名、女性92名となっております。広域で行うイベントの開催の要望も多いことから、峡東3市合同イベントや、県内他市町村と連携したイベントも開催し、合計で33組のカップリングが成立をいたしました。
セミナーの開催については、民間の専門家を招き、相談員にはお見合い、イベントの進め方、またイベントに参加予定の男性には、参加に際しての服装や振る舞い方など事前にレクチャーを受けていただいております。
今後も他市との連携も強化する中で、参加者のニーズを把握しながら、本市の特色を生かしたイベントの開催により、出会いの場の提供を進めてまいります。
婚活イベントへ定員を上回る申込みがあったことから、大変必要性の高い事業であると改めて思いました。今後も甲州市結婚相談所の相談員や、民間の専門家との連携強化で、さらなる出会いの創出に努めていっていただきたいと思います。
カップル成立後の成婚率は、個人情報など、様々な参加者の心情的な理由もあり、把握は難しいところであると想像はしますが、把握ができる工夫を凝らし、これからの事業に生かしていただくようお願いいたします。
これからも魅力的で多様性に富んだ婚活事業を期待しております。
引き続き、人口対策について質問をさせていただきます。
平成26年11月8日、勝沼ぶどうの丘は、恋人の聖地として認定されました。南アルプスの山々や甲府盆地を一望できるスポットとして評価された結果であると記憶しています。
少子化対策の地域の活性化への貢献をテーマに、全国の観光地域から、プロポーズにふさわしいロマンチックなスポットとして認定を受けてから、約6年経過しました。今後の恋人の聖地としての活用の展望をお聞かせください。
ぶどうの丘事務局長(小澤和仁)
ぶどうの丘にある恋人の聖地ですが、今朝ほどもカップルの方が訪れておりまして、名前が少し有名になってきたかなと感じているところでございます。さらなる活用につきましては、市民生活課と連携を取る中、進めてまいりたい、効果的な活用を進めてまいりたいと考えるところでございます。
具体的には、新たなモニュメントの設置、議員おっしゃいました南アルプスや甲府盆地の夜景などを生かした恋人の聖地らしさを演出し、滞在時間が少しでもぶどうの丘にいていただけるような趣向を凝らし、いわゆるインスタ映えするような整備を考えているところでございます。
整備後には、婚活イベントや各種催物にもご利用いただき、昼夜を問わず、多くの方々がぶどうの丘の恋人の聖地にお越しいただきたくなるような工夫を凝らしてまいりたいと考えているところでございます。
インスタ映えするような設備、整備、大変楽しみにしております。
また、新しいモニュメントにも期待しておりますが、まずは地元の方、特に若い世代により認知していただき、そして甲州市に住んでいる人は一度は行ったことのあるスポットとして定着するよう努めていただくことをお願いいたします。
ただいま小澤事務局長よりご答弁いただきましたが、鈴木市長のお考えもお聞きかせいただけますでしょうか。
市長(鈴木幹夫)
ただいま矢崎議員さんのほうから質問がございましたが、私も何回も今のモニュメントについて見たり、この間も市長になりまして、行かせていただきました。
今の場所は、矢崎議員、見ていると思いますけれども、あまり好ましくないという言い方は--いや、私と同じように考えている方もいます。なぜかというと、やはりインスタ映えするには、基本的には、私、いつも見るんですが、8時から10時ぐらいの夜間、昼間来られてもいいわけでございますが、やはり売りは夜の夜景ですね。要は南側から、ワインの中庭ちょっとあるんですが、ホテルが。あの西に向かって見る夜景というのは、夏場だと、やはり早い時期はあまり全般的に見てよろしくないかななんて思いながら、9時から10時頃は非常に先ほど言ったインスタ映えするんですよ。
隣の山梨市のフルーツ公園、私も県議時代から全国、夜ばかり行っているわけではないですが、夜景を見て、一番よかったのは北海道の小樽山かな、いいなと思ったんですが。山梨市の場合は、フルーツ公園は100万ドルといいますか、ほかにあるのは他県でも1,000万ドルといって、僕は億万ドルの夜景だと思っているんです。
やはりもう一度、場所をよりよいところにしながら、恋人でなくてもいいんですよ、一人で来て、あの鐘を1回鳴らしてもらうと結ばれることが成就する、要は結びの丘とでもいいましょうか、そういうことを考えているんです。
あそこは、思蓮山というんですか、今、この思蓮山の、なぜ思蓮というか知っている方もあると思うんですが、多分あの難しい字を書くのは、何かあったからこそああいう字を書くと思うんですよね。
そこで、作れるかどうか分かりませんけれども、その由来が分からないとすれば、別のストーリーを考えるんですが、やはり物語、これを徹して作って、やはり全国に誇れるような恋人の聖地、先ほど言ったように婚活もあろうと思うし、いろいろな若い人たちのイベントに使われていったら、相当このぶどうの丘も見直されてくるのではないかと思っております。
今、矢崎議員さんの質問の内容分かります。私もやはりいろいろなものはするんですけれども、これも一つ、対策の一つとして、これから新しい年度に向かって改革していかなければならないかなと思います。
きっと多分若い人たちが来ていただける、婚活するというよりも、むしろ男性も女性も気楽に来ていただけるような場づくりをあの場所でしたらどうかななんて思っているんです。
局長もいますけれども、今、大体8時なんですね、営業時間がです。場所によっては、やはり10時頃までは営業するような形をとらないと、さっき言ったようにいい星が見られないと思います。億万ドルの夜景期待しながら、皆で、これもワンチームで頑張っていきましょう。よろしくお願いいたします、どうも。
市長の恋人の聖地に対する様々な熱いお考えをお聞かせいただいたことで、この恋人の聖地というモニュメントを通して、市民の皆様が地元への愛着も深まり、そしてまた一層のインバウンドにつながることを確信させていただきましたので、次の質問に移らせていただきます。
ワーク・ライフ・バランスとは、仕事と生活の調和であり、一人一人がやりがいや充実感を持ちながら働き、仕事上の責任を果たすとともに、家庭や地域社会などにおいても子育て期、中高年期といった人生の各段階に応じて多様な生き方が選択、実現できることをいいます。
さて、昨今、働き方改革が叫ばれています。国の掲げる働き方改革とは、1億総活躍社会の実現に向けた取組で、2019年版厚生労働省の定義によれば、働く人々が個々の事情に応じた多様で柔軟な働き方を自分で選択できるようにするための改革であります。この背景には、少子・高齢化に伴う生産年齢人口の減少、育児や介護との両立など、働く方のニーズの多様化、先進国の中で女性の活躍が進まないことなどが上げられます。
こうした社会の変化に対応するために、ワーク・ライフ・バランスの向上は欠かせないものとなっております。仕事と家庭を両立できるための最も重要な取組であるとも言えます。甲州市役所では、このワーク・ライフ・バランスを推進するため、昨年7、8、9月に職員の朝型勤務を実施しましたが、どのくらいの職員が朝方勤務をしたのか、また、どのような反応があったのか、お伺いいたします。
総務課長(芦沢尊彦)
議員ご指摘のワーク・ライフ・バランス取組の一端でございますが、朝方勤務につきまして、職員の長時間労働の是正や1日の時間を有効に利用することによるワーク・ライフ・バランスの実現のため、昨年から導入した制度であります。
期間は7月から9月までを対象期間として、1時間前倒しの午前7時30分から午後4時15分までの勤務形態を申請により可能としたものであります。実績としましては、1人が複数回利用できますので、3か月間で166人が延べ680回利用をしたところであります。期間終了後、各課長に行いましたアンケートでは、おおむね良好の評価であり、通年で実施を支持する意見も大半を占めたところであります。
166人が680回、また好評であったとのご答弁でございました。今後、このワーク・ライフ・バランスを推進していく取組があれば、お聞かせください。
総務課長(芦沢尊彦)
働き方改革の一環として、昨年から導入をいたしましたが、この朝方勤務につきましては、担当部署により利用が難しいなどの意見も聞かれました。庁内においても様々な事情もうかがえますが、利用の促進が図られるように実施時期、期間の延長など検討しているところでございます。
今後も職員の生活と仕事の調和、調整に好影響となる取組を充実し、業務効率の向上が図られるよう取り組んでまいります。
様々な課題があると思いますが、子育てと仕事、あるいは介護と仕事などのように、家庭と仕事の両立ができる働き方の見直しは早急に整備される課題であると思います。実情に合わせながら、具体的な制度やアイデアを取り入れ、ワーク・ライフ・バランスの対策を、少しスピードアップして推進していただきたいと強く思います。
続きまして、ワーク・ライフ・バランスについて、市内企業へと波及を講ずる取り組みはしているのか、お聞きいたします。
観光商工課長(中村賢一)
市内企業への取組についてでございますが、第2次甲州市総合計画の基本施策にもある雇用労働環境の改善、また、働き方改革という観点から、市内の90%以上を占める中小企業者に対しては、塩山公共職業安定所などから講師を招き、労務セミナーなどを通じ、ワーク・ライフ・バランスの普及、啓発に努めております。今後も関係部署と連携し、市の事例なども含め、働きかけていきたいと考えます。
取り組まれているご様子はよく分かりました。
やはり自治体である甲州市が、課、局、一丸となり、横断的に取り組むことで市内企業、市民へと波及していくのではないかと考えます。庁内から改革を行っていただき、それをケーススタディーとして民間へも広めるような流れをつくることを要望し、次の質問に移らせていただきます。
私が男女共同参画推進委員として活動させていただいた中での平成30年度のテーマは介護であり、介護を通して認知症について深く考えることがありました。明日は我が身との危機感さえも感じた次第であります。
厚生労働省の認知症施策推進総合戦略、新オレンジプランは、2025年までを対象期間として、認知症の人の意思が尊重され、できる限り住みなれた地域のよい環境で、自分らしく暮らし続けることのできる社会の実現を目指して策定されており、七つの柱に沿い施策を総合的に推進していくこととしています。
認知症について、市の取組についてお聞きいたします。
介護支援課長(今橋美穂)
市では、新オレンジプランの方針の下に、甲州市高齢者福祉計画第7期介護保険事業計画の11の柱の一つとして、認知症施策の充実を掲げております。具体的な事業は、認知症の予防を目的としたすこやか脳トレーニング教室、認知症を理解し、地域で見守るための認知症サポーターの養成、物忘れ相談、認知症の方が適正な医療や介護、家族支援を受けるための認知症初期集中支援事業、認知症カフェ、認知症の方が行方不明になったときに、早期に発見するための徘徊SOSネットワーク事業等10項目についての取り組みを行っております。
また、サービス提供の充実を図るため、認知症対応型共同生活介護施設、いわゆるグループホームの令和2年度中の開設に向け、事業者を選定したところであります。
認知症施策の充実に、様々な事業を展開されていることが分かりました。その中で、認知症カフェ、オレンジカフェについて、どのようなものかお伺いいたします。
介護支援課長(今橋美穂)
オレンジカフェは、認知症の本人や家族並びに地域の方が気軽に立ち寄って、認知症について話ができ、また、認知症の方が安心して過ごせる場として月1回開催しております。また、カフェには、認知症についての専門知識を有するスタッフを配置しており、認知症に関する相談に対応し、医療や介護等に関する情報の提供も行っております。
参加者からは、介護の話ができてよかった、ボランティアの演奏を聞いたり、一緒に歌い、楽しい時間が過ごせ、心が和んだ等の声が聞かれております。
現在、オレンジカフェは、市内社会福祉法人に実施を委託し、市内1会場で開催しております。多くの方が参加できるよう、委託先と市は定期の打合せを行っており、本年度につきましては、オレンジカフェ通信を発行することで、市民の皆様や介護保険の事業所へPRを行っております。
なお、今後につきましては、参加者の増加や他の地域からの要望により、協力機関や開催会場を増やすことも検討していきたいと考えております。
利用者の声や委託先との連携、また今後、カフェの認知度向上、PRについてお聞きすることができました。
オレンジプラン、オレンジカフェ、なぜオレンジという表現をされているのか気になり、調べてみました。これは、オレンジ色、色のことを指すようです。先ほど課長の答弁にもありました認知度サポーター、こちらに認証されると、オレンジ色のリングをつけることができます。
江戸時代に活躍した陶工、酒井田柿右衛門が作った赤絵陶器は、柿色からインスピレーションを得たとのことで、これを機に、認知症サポーターのカラーであるオレンジ色が認知症支援の対象として、日本から世界へと広く知れわたってほしいという思いが込められているそうです。また、温かさを感じるこの色は、「手助けをしますよ」という寄り添う優しい気持ちが込められています。
認知症の人と家族が地域住民や介護の専門家と情報を共有し、理解し合う交流の場であるこのカフェが広く知れわたり、福祉に優しいまちづくりの一層の推進を強く願い、私からの一般質問を終了させていただきます。
(以上)